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ご挨拶

淘汰は進化へのきっかけ

数あるサイトの中から、弊社を訪問して頂き、誠にありがとうございます。
新型コロナウイルスの猛威はおさまりつつありますが、地球環境変化による災害の増加、戦争や資源高騰による物価高、経済格差の拡大や分断、国内においても、少子高齢化や災害の増加、物価高騰など不安定な様相です。

しかし歴史を振り返れば、世界は混沌とした時期を乗り越えてきたことがわかります。地球誕生以来、生物はほとんどの種が絶滅する5度の危機を乗り越えてきたと言われます。その度に生き残った生物は進化向上し、淘汰の危機はまた、進化向上のきっかけとなってきました。人間も長い時間をかけ先人たちが生きるために必死に命を燃やし、そのバトンを受け取っていると考える時感謝の念が生まれます。

失われた30年

バブル経済崩壊後の失われた20年は、失われた30年といわれるようになりました。しかし、バブルを知らない世代が労働人口の中核を担いつつあり、もはや失われたことが当たり前となってきています。失われたのではなく、もともとなかった。そして戻ることもできないと言われます。なぜなら経済一等国のプライドや奢侈で物質的な繁栄は、もはや多くの人にとって夢や希望となることが難しいからです。戦後焼け野原から物質的渇望を満たすことは、多くの人と夢や希望になり、目標となりました。それはあくなき経済的繁栄の追求となり、失敗となりました。そして現在地球環境の観点から世界的にその限界を迎えています。

30年の間、他の経済的に成長を続けていると言われる国々が、本当に成功したと言えるのか、むしろ混沌に陥っているのではないか。それは一足早く成長の限界に直面した私たちだからこそ感じ取れるものなのかもしれません。経済的繁栄は一定以上必要といえ、最終的に人間の本当の夢や希望とはなり得ないのではないかとも思われます。それは賃金による報酬がある点を境に、従業員をモチベートしなくなることとどこか似ています。 夢や希望は、社会全体のチャレンジする心や、諦めずトライし続ける心、それらからもたらされる事業創造性やアイデアなど人間や社会のダイナミズムをもたらします。一方、生き残ることに囚われれば、萎縮し・保守的になります。他者を蹴落としても構わないと考えるようになります。むしろこの30年は、多くの人が生き残ることに囚われすぎた時代だったと言えるかもしれません。

私自身、「ロストジェネレーション」、「就職氷河期世代」と言われる世代のため、経済の停滞の中を働いてきましたが、遅ればせながら思うことは、働くことや生きていくということは、経済的(物質的)な成長よりも「不安に打ち勝ち挑戦する勇気」や「自己保身の裏返しの他者への思いやりや誠実さ」や「世界を良くしていこうという公共心」や「自己過信の裏返しの謙虚さ」や「他者と分かち合う心」などの精神的な成長の重要性でした。 そして、時代や価値観は変容し、これら自分の人生と社会と世界を豊かにするベースを大切にする人が増えているような気がします。

しかし理想は言うに易し、容易ではありません。現実は厳しい。20数年前、リストラが日常化し、雇い止めが横行、採用が抑制され、社会に閉塞感が生まれ、誰もが生き残りに必死になった時代がありました。さらに戦争という究極の状態では、国のために特攻が要求されました。生き残るために犠牲を求める冷徹な理論がそこにはあります。しかし今、生き残ることや物質的な欲望の追求以上に、「意味」を求める人が増えてきていると感じます。意味が見つけられないぬるい職場を捨てる人やそのスキルを社会貢献に役立てたいと起業する人や、人生をかけて蓄積した富を社会貢献のために寄贈・遺贈するご高齢の方などが増加しています。生き残ることに囚われすぎず、できる範囲で自分がいいと思うことをする。夢や希望がなくとも意味があれば、十分素晴らしいことだと思わせてくれます。

この国も世界もいい方向にも進化してきた事実

迫り来る困難は私たちに本物の価値に気づかせてくれています。ESG投資や、環境保全への取り組み、暴力に対する抵抗、エッセンシャルワーカーへの感謝、人権意識の高まりなどこれまで無視されてきた本来は最も大切なものに世界の注目が集まり、支援の輪が広がっています。誰かの犠牲や不幸の上に成り立つ繁栄の欺瞞におかしいと気づく人が増えています。このような動きはまだ完全ではないと思いますが、歴史を振り返る時、強者が弱者の上に立ち、環境破壊が当然とされていた時代から初めての転換点ではないかと考えています。誰かの犠牲の上に成り立つ繁栄や生存に、世界中の人、若い人を中心にアレルギーを示しているのだと思います。

この国でも、困っている人に手を差し伸べ、本当に大切なもののために活動している若い世代が増加しています。 不安は自己防衛に意識を集中させます。そうではなく、他者への思いやりにその力を使うことができることは、人間が地球上の他のどんな生物とも違うことを教えてくれます。 当たり前が無くなる世界で、本当に大切なものが見つめ直されてきていると感じられます。

企業の本質的な存在理由を追求する

新しい価値観や環境変化にすでに対応を始めている企業も多く見られます。例えば、デジタル化や働き方の変化への対応が進む一方、企業の本質的な役割に立ち返り、変化を遂げている企業が増えています。例えば、従業員の本当の幸福追求や、地域社会への貢献など、その基本的な経営理念に立ち返り、幸せを提供する活動です。関わるすべての人が幸せになれる「やさしい」変化です。昨今は人手不足や世界の流れに適合する理由もあるとも言われますが、素晴らしいことに違いはありません。しかしさらに称賛されるべきは、もっと昔から取り組んできた企業です。社会の常識に合わせずぶれずに本当に大切なものを追及する。そのような先駆者たる企業や人こそ本物だと考えています。そこには間違いなく先駆者ゆえの困難がありました。そしてそのような先駆者によって時代は進化してきたのだと気付かされます。

「たくましく」「やさしい」企業を増やすお手伝い

現実的には、資源がほとんどないこの小国が世界と渡り合い、豊かな生活を維持するために、「たくましさ」も要求されます。しかしこれからの時代は、本当のたくましさは犠牲から生まれるものではなく、個人が未来の希望と現在の幸せを感じ、躍動し新たなものを生み出す高いレベルの創造性から生まれると考えています。そしてその社会的なベースとなる企業こそがその価値を担う場となります。そして「企業は人なり」。資源のないこの国の繁栄をもたらしたのは、「人」です。

即ち関わる人全てが幸せとなれる「たくましく」「やさしい」企業や人が多くなることは社会や個人の希望や喜びとなると信じています。そして経済的な繁栄とは違う形で、本物の繁栄と成長がもたらされるのではないかと考えています。 理想は高く困難ですが、少なくともそこを目指すことに意味があると考えています。幸いこの国には、お手本となるすばらしい企業がたくさんあります。私たちはそのような企業が増え、持続するお手伝いを行い、「たくましく」「やさしい」社会へ微力なりとも貢献していきたいと考えています、未熟者ではありますが、ご助力頂ければ幸いです。

代表取締役 原田 崇央

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